コンテンツまでスキップ
AIとともに働く未来(後編) ~攻めと守りの両輪で進めるAI活用 ~
BIPROGY FORUM2026 AI活用

AIとともに働く未来(後編) ~攻めと守りの両輪で進めるAI活用 ~

BIPROGYプロダクトマネジメント部マーケティング担当
BIPROGYプロダクトマネジメント部マーケティング担当
前編では、BIPROGYグループがMicrosoft 365 Copilotを全社7,700名に展開した背景と、業務組み込みの実践を紹介した。後編では「攻め(効果最大化)」と「守り(安全設計)」の具体的な打ち手を深掘りし、組織として次のステージへ進むためのヒントをまとめる。

では、AI活用の効果をより大きく引き出すためには、どのような点に注意すべきなのか。まずは多くの企業が直面する課題と、その解決策について見ていく。

6. 攻めの論点:効果を最大化するための3つの打ち手

前編では、AI活用の拡大に伴い「評価・効果」「組織間の温度差」「データ整備」といった課題が浮かび上がった。本章では、それらの課題を乗り越え、AI活用の効果を最大化するための具体的な打ち手を紹介する。

日本マイクロソフト株式会社 鈴木 哉 氏は、Copilot導入時に多くの企業が陥る「3つの落とし穴」を紹介した。

鈴木 哉氏 日本マイクロソフト株式会社 AIビジネスソリューション本部 シニア Go-To-Market マネージャー
鈴木 哉氏
日本マイクロソフト株式会社
AIビジネスソリューション本部 シニア Go-To-Market マネージャー

落とし穴① 環境(配布・権限・運用)

「ライセンスを配れば使われる」は誤解だ。準備不足の一斉配布は未使用ライセンスとエージェント乱立を招く。
 
■ 打ち手:技術・データ・業務・運用の準備度を確認してから対象シナリオを絞る。AIに熱心な「チャンピオンユーザー」を部内で先行配布し、部署レディネスが整ってから全体展開へ。将来のエージェント管理を見据え、Entra IDによる一元管理を初期から設計する。
 
 

落とし穴② 不安の払拭(データ・セキュリティー)

Copilotは権限設定が甘いと社内の広範な情報を参照しに行く。意図しない機密情報の検索リスクが社員の不安を生む。

■ 打ち手:秘密度ラベルを「公開 / 社内限定 / 機密 / 厳秘」のシンプルな4分類で導入し、誰でもラベル付けできる運用にする。オーバーシェアリングの対策を導入前に実施することが重要だ。

 

落とし穴③ 評価(測り方・見せ方)

 「評価の測り方と見せ方が重要です。」(鈴木 氏)。測り方は部門別で3〜5個に絞ってKPIを設定する。CopilotやAgentを利用してどれだけ効果があったのかを、サポート部門であれば対応時間の削減、マーケティング部門であれば翻訳の外注費の削減など、具体的な数字として計測する。
 

見せ方は相手によって変える。経営層には「時間削減・外注費の削減・利用率」などの経済的メリット、現場社員には「自分の仕事がどう楽になるか」。この2つの使い分けが定着を加速させる。

7. エージェント活用の実践事例

こうした環境整備やルール整備を進めた先には、AIを実際の業務プロセスに組み込む段階がある。ユニアデックスでは、エージェント活用を通じて個人利用から組織活用へと発展させており、品質の平準化やナレッジ共有などの効果が生まれている。

ユニアデックス株式会社 盛田 豊が紹介した3つの事例は、エージェント活用が「個人利用→業務組込→組織定着」と進化する典型的なロードマップを示している。

盛田 豊  ユニアデックス株式会社 クラウドサービス本部 本部長
盛田 豊
ユニアデックス株式会社 クラウドサービス本部 本部長
個人利用・業務組込・組織定着

これらの事例が示すのは、業務の質の変化だ。品質のばらつきが減り、「どう作るか」より「何を実現するか」に集中できるようになる。さらにナレッジが個人の資産から組織の資産へ移行し、業務部門主導の自動化・改善文化が浸透していく。

8. 守りの論点:自律型エージェントがもたらす新たなリスク

事例が示すように、AIは業務効率化にとどまらず、仕事の進め方そのものを変え始めている。一方で、自律的に業務を遂行するエージェントが増えるほど、新たなリスクへの対応も欠かせない。効果を最大化する「攻め」に続き、ここからは安全な活用を支える「守り」の視点を見ていく。

AI活用が「利用するAI」から「自律型エージェント」へ進化するにつれ、人の役割も「意思決定」から「目標設定と監督」へと変わっていく。エージェントが自律的にシステムへアクセスし業務を代行する時代には、これまでなかった新たなリスクが生まれる。
 

リスクに対して継続的に取り組む「可視化 → 統制 → 保護」のサイクル

① 可視化(把握):どんなエージェントが動いているか、誰が利用し、何を実行し、どのシステムに接続しているかを見える化する ② 統制:申請・承認プロセスを経ているか、権限・ライフサイクルが適切かを管理する ③ 保護:過剰権限の防止、不正利用の検知・遮断、Prompt Injectionなど新しい攻撃手法への対処

可視化・統制・保護

最初にすべき2つのこと

盛田は、安全なAI活用に向けて今すぐ着手すべきことを2点に絞った。

●    エージェントをIDで管理する:エージェントも人と同様の「業務主体」として捉え、申請・承認プロセスを整備する。これにより認証・認可・監査・ライフサイクル管理が可能になる

●    データの分類とラベリング:「公開/社内限定/機密/厳秘」で分類し、AIによる意図しない情報参照(オーバーシェアリング)を防ぐ。ファイルサーバーのアクセス権設定だけでは不十分で、データ自体へのラベル付けが必須

「可視化・統制・保護に必要な機能や仕組みはすでに提供が始まっています。各社で一から構築する必要はなく、それを使うために何をすべきかを考えることが重要です。」(盛田)。Microsoft 365のセキュリティー基盤を活用することで、既存の権限設定を引き継ぎながら安全なAI展開が実現できる点は大きな強みといえる。

AI活用を組織へ定着させるためには、効果創出を追求するだけでも、リスク管理を徹底するだけでも十分ではない。重要なのは、両者をバランスよく推進することだ。最後に、本講演で示されたポイントを振り返る。

9. まとめ:「AIと共に学び成長する企業」を目指して

世界的なAIエージェント活用の潮流を踏まえ、BIPROGYグループの全社展開の取り組みと、日本マイクロソフトが提示した実践知を見てきた。そこから見えてきたのは、AI活用の成否はツール導入そのものではなく、組織として活用を定着させる仕組みづくりにかかっているということだ。

今回の講演が示したのは、AIを「使う企業」から「AIと共に学び成長する企業」へのシフトだ。
 
攻めと守り
BIPROGYグループの実践は、AI導入が「IT部門のプロジェクト」から「全社・全部門の業務変革」へと転換しつつあることを示している。攻めと守りを両輪で回しながら、AIとともに成長できる組織づくりが、これからの企業競争力の源泉となっていくだろう。
 
 
 

 
■関連リンク
・BIPROGY のデジタルワークプレイス 
https://www.biprogy.com/solution/theme/digital_workplace.html
・BIPROGYのAI
https://www.biprogy.com/solution/theme/ai.html
・BIPROGYのデジタルトランスフォーメーション(DX)
https://www.biprogy.com/solution/theme/dx_service.html
 
 

 
 
Microsoft、Microsoft 365、Microsoft Teams、PowerPoint、SharePoint、Microsoft Entra は、米国 Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。
Microsoft 365 は、Microsoft Corporation が提供するサービスの名称です。
その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
掲載されている文章、写真、イラスト、画像およびこれらを組み合わせた編集物は著作権法による保護を受けており、これらの著作権は、BIPROGY株式会社に帰属するほか、第三者の著作によるものである場合は当該第三者に帰属しています。
掲載内容については、細心の注意を払っておりますが、いかなる保証もするものではなく、情報の誤り等によって生じた損害に関しましては、当社は一切責任を負いかねます。
 
 

無料個別相談 受付中

\無料個別相談 受付中/

貴社の課題解決に向けて、プロが丁寧にヒアリングいたします。

まずはお気軽にご相談ください。

詳しくはこちらから

この投稿を共有